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「戦国BSR【※】」
・パラレル設定2

【伊真?】つかの間の逃走劇

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*パラレル設定につき ワンクッション置きます

伊→→→真
愛を乞う狂気』の続き

前回よりも三割増し筆頭がまとも…だと思う







 武田の衰退と共に和睦の代償として奥州の若き竜の下に拘束され、彼の慰み者としてこの身を搾取され続けて、もうどれくらいの日数が過ぎただろうか。
 薄暗い部屋の中、幸佑は己の四肢に纏わり付く忌々しい鉄鎖を無表情に見下ろしながら考える。

 外はきっと明るいに違いない。時折小鳥の囀る音も聞こえてくる。時分は早朝といったところか。
 日の光を完全に遮断され、体内時計が狂ってしまった今、幸佑が時刻を知る手段は外部からの僅かな物音だけ――即ち、聴覚からのみ得られる情報に頼る他ない。

 政宗に捕縛されて以来、幸佑は一度たりともこの部屋を出たことがなかった。否、出ることが叶わなかった――この鎖が故に。一体どこに繋がっているのか、どれ程の長さがあるのか、一切が謎だったが、この重く無機質な枷から逃れなれないことだけは確かだった。

 しかし、幸佑はまだ諦めていなかった。表面上は無表情と無感情の殻に閉じ篭っているように振る舞っているが、その仮面の下では己に対して現在進行形で屈辱的な陵辱の限りを尽くす政宗への憎悪と憤怒が渦巻くと同時に、これまでに得た数少ない情報を脳内で入念に繋ぎ合わせ、脱出の計画を秘密裏に練っていた。

 この場所に連れられてそう経たないうちに、幸佑は朧げながらも自分が囚われている部屋の城内での位置を把握した。そして、奪われてしまった拳銃の保管場所も。

 ――己の勘が外れていなければ、ワルサーは必ずあそこにある。

 じゃらと金属音を立てながら部屋の柱に背を凭れ、幸佑は静かに計画実行の好機を待った。








「……外に出たい」

 いつもと同じ強姦紛いの情事の後、ぽつりと幸佑が漏らした声に、政宗はひとつしかない眼を驚きと喜びに見開いた。強引に躰を押し開いて以来、政宗に抵抗するように何の感情も浮かべず一言も言葉を発そうとしなかった幸佑が、突如口を開いたのだ。それがどのような内容であれ、幸佑が己に対して口を利いたという事実に政宗は顔を綻ばせた。

「一度でいい、日の光を浴びたい」

 無表情に瞬きながら尚も言を継ぐ唇に己のそれを重ね、政宗は腕に抱いた幸佑のすっかり細くなった躰を、まるで真綿で包むように優しく、しかし強く抱き締めた。

「――I see. いいぜ。幸村、アンタからの初めてのおねだりだ、その程度なら幾らでも叶えてやるよ。……但し、この鎖は外せねぇ。アンタを逃がしたくねえんだ、判ってくれ」

 頬擦りしながら長い鉄鎖を徐に持ち上げる政宗に、幸佑は是と答える代わりに僅かに頷いてみせた。
 その程度の拘束条件であれば想定の範囲内だ。計画にさしたる支障はない。

「もう少しで今の仕事がひと段落つきそうだからな、明後日にでも俺がアンタを抱き上げて庭園に出してやるよ」

 愉しみにしてな、と笑う政宗に内心の思惑がばれぬよう、幸佑は彼の肌蹴た胸元に甘えるように額を押し付け、胸の奥からジワジワと湧き上がる暗い歓喜に口元を歪めた。








 ――いつの間にか転寝(うたたね)をしていたらしい。
 幸佑は錠を開けるような耳障りな音と共に閉じた瞼を照射する強烈な光線に耐えられず、思わず避けるように手を翳した。

「Hey、幸村! 約束通り、これから庭園に連れて行ってやるぜ」

 政宗は久々に浴びる朝日に眼を眩ませる幸佑に構わずズカズカと部屋に踏み込むと、その躰を乱暴に抱き上げた。主君に続けて入って来た小十郎が薄暗い部屋の奥に進み、無言のうちに鎖を更に長いものへと手早く挿(す)げ替える。

 漸く光の刺激に慣れてきた眼を薄らと開く幸佑の視界に、白黒ではない色のついた城内の光景が飛び込んでくる。まだ懐古の情を抱く程の時は経っていないだろうに、幸佑は強烈な懐かしさを覚えると同時に、まるで自分がこれまで何十年も盲(めし)いていたように感じた。

「じゃあ、行くぜ。しっかり掴まってな」

 幸佑の両腕を頸に巻き付けさせると、政宗は小十郎を伴って檜の廊下を歩き出した。




 油断なく、しかし気付かれぬように視線を飛ばして城内の構造を確かめつつ、幸佑はじっとその時を待った。
 そして数度目の曲がり角に差し掛かった直後、幸佑は遂に動いた。

「――ぐぅッ!?」

 大人しく抱かれていた幸佑だったが、不意に政宗の頸の後ろに回していた腕を動かし、左右交互に鎖を掴むと、そのまま全体重を掛けて締め上げた。突然の呼吸困難に歩みを止めて呻き声を上げる政宗を尻目に、腕の力が緩んだ隙に幸佑は元来た廊下を駆け出した。

「政宗さま! …待て、真田ッ!」

 政宗から少し離れて付いて来ていた小十郎が取り押さえようと素早く頸の鎖に腕を伸ばしてきたが、幸佑は逆にその長い鎖を鞭のように撓らせ、小十郎の手を弾き飛ばした。

 背後から人を呼ぶ小十郎の怒鳴り声が聞こえたが、幸佑は振り返らずにある場所を目指してひた走った。向かう先は、城主たる政宗の居室だ。

 過去の訪問で幾度か足を踏み入れた経験のあるそこに到着した幸佑は、まず安置された太刀を掴み、次に部屋の隅に厳重に密閉されて置かれている黒塗りの行李に抜刀した白刃を斜めに振り下ろす。そこには幸佑の読み通り、半自動式の銃器が、押収された当時の姿そっくりそのままの状態で納められていた。
 囚われて幾度目かの情交の際に政宗がこの行李の存在を寝物語のように漏らしていたことを、幸佑はしっかりと記憶していたのだ。

 ざっと確認したところ、破損や使用の形跡はなく、弾数も最後に装填した時と変わっていない。
 幸佑は微かに口元を攣り上げると、己の身を戒める五つの鎖に銃口を向け、順に手早く、しかし弾を無駄にせぬよう正確に照準を定め、躊躇いなく撃ち抜いた。

 ――枷が外れる。
 漸く行動制限の拘束がなくなった幸佑は、久方振りの身体の自由に暫し感動に浸った。

「――鎖が続いている、こっちだ!」

 階段を駆け上ってくる複数の足音と共に聞こえてきた大声に幸佑はハッと我に返り、サッと相手から見えない死角に隠れると、帯で腰に太刀を佩かせながら迎撃の姿勢を整えた。

 この時代において最強の威力を持つ火縄銃を遥かに上回る機能と殺傷能力を誇る、拳銃という未来の武器製造技術を駆使して製造された兵器を手に入れ、圧倒的有利に立った幸佑であったが、それも銃弾がなくなるまでの限定的且つ一時的なものに過ぎない。
 いかに性能的に優れていようと、そこは多勢に無勢、哀しいかな人数任せに立ち向かわれては到底太刀打ち出来ないのが実情だ。

 だが、決死の思いで漸く作り出したこの絶好の逃走好機をみすみすと逃すつもりなど、幸佑には微塵もない。

「どうしても逃げ切れんとあれば、頭をぶち抜いて死ぬまでよ」

 自決用の弾丸を一発、最後まで残しておこうと決意した幸佑は、息を殺して相手が姿を現すのを待った。

 やがて部屋の障子が開き、小十郎を先頭に数名の男が入って来た。
 それを確認した幸佑は素早く拳銃を構え、彼等が気付く前に物陰から引き金を引いた。

「…うわあッ!」
「あッ、あそこだ、柱の陰だ!」
「気を付けろ、何か妙な得物を使ってくるぞ!」

 致命傷には至らぬように、しかし追跡が不可能になるように、幸佑は脚ばかりを重点的に狙う。
 一行が突然の発砲に足止めを喰らい、慌てている間に、部屋の外へと身を翻す。

「くそッ、何だあの飛び道具は!? 真田の奴、種子島【⋆1】を持ってやがるのか!?」

 撃たれた脚を押さえて次々とその場に倒れる部下らを見て舌打ちし、小十郎が唸った。
 彼はこうしてはいられないと踵を返し、城門に先回りしている筈の主君の許へと急いだ。



 周囲を高い塀で囲まれた青葉城は、一箇所のみ設けられた城門だけが唯一の出入り口だ。
 それを知っている幸佑は敢えてそこを避け、自力での城壁突破を選んだ。

 時に威嚇射撃を行い、腰に佩いた太刀や体術で追っ手を薙ぎ倒してきた幸佑は、既に殆どの体力を使い切っていた。残る弾数も、早五発まで減ってしまっていた。内、一発は自殺を行う万が一の場合の保険である為、実質的には残り四発だ。
 ――それでも。

「あと、少し…」

 ずっと待ち焦がれてきた解放の瞬間とその先にある自由を思い、幸佑は梁(はり)の陰に凭れながら疲れと焦りの滲む顔を期待に緩めた。…が、そこではたと気付く。

 ――このまま無事逃げ遂せたとして、それから私は一体どこへ行けばいい?

 元の世界に戻る術は未だ判らず、真田幸村として己を手厚く庇護してくれた武田も今や嘗ての威容を失くし、すっかり斜陽の国になってしまっている。そして何より、ここで人質である自分が逃げてしまっては、未だ病に臥せっているという恩義ある信玄公を更に煩わせることになりはすまいか?
 今の幸佑は帝国軍人ではなく、歴とした戦国武将なのだ。

「――」

 今まで無意識に排除してきたその可能性に、幸佑は今更ながら激しい怖れを抱いた。
 ただ純粋に己の解放のみを望むのであれば、このまま素知らぬ振りを貫き通せば良かったのだろう。だが、逃亡を果たすより前に、幸佑は起こり得る危機に気付いてしまった。

 ――この、義を重んじる余り、元来自分には関わりのないことだと瞬時に割り切れなかった幸佑の迷いと呵責は、二度と取り返しのつかない最悪の油断と隙を招いた。

「……幸村アアァ!!」

 不意に耳朶を打った叫び声にハッと反応するも時既に遅く、幸佑は振り向く暇もなく背後から政宗に腕を捻り上げられ、そのまま馬乗りの体勢で押さえ付けられた。
 元々脱力していた幸佑は容易く拳銃を手放し、何の抵抗もなく絶望に彩られた眼で政宗を見上げた。

「幸村……何でアンタは……ッ!!」

 激しい憤怒と悲哀を噴出させながら、今にも泣き出しそうな程に端正な顔を歪める政宗の声は僅かに震えていた。遠くから段々と、小十郎らの怒声が近付いてくる。

「逃げ出したいと思う程、俺が嫌いなのか…?」

 激情を押し殺した低い声で問う政宗に、幸佑は疲労感と虚脱感から最早何がどうなろうとどうでもいいと、どこか投げ遣りに瞼を閉じる。逃亡の意志など、完全に消滅していた。
 いっそひと思いに殺してくれとすら思い願うが、政宗は尚も苦しげに問い掛けながら幸佑の頬を撫でるばかりでその様子は全くない。

 やがて政宗は圧し掛かっていた幸佑から退き、躰を起こして暫し顔を見据えた後、腰を下ろしたまま正面からきつく腕に掻き抱いた。

「幾ら憎まれても嫌われてもいい。俺はこれからもアンタを放さねぇ。どこに逃げても、地の果てまで追い駆けて絶対に捕まえてやる。愛してる、幸村……。愛してる」

 俺の傍に居てくれ――相手の拍動と共に直截躰に沁み込んでくる、弱々しく切なげな懇願の言葉を、政宗の腕の中に固く抱き締められたまま、幸佑はぼんやりと聞いていた。
 自分に許された場所はもうこの男の下しかないのだと、幸佑は改めて思い知った。





作中用語解説

【⋆1】火縄銃の意
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